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STEP(HTML版)

STEP(第189号)

大月市内及び山梨県内の土砂災害におけるフォレストベンチ工法の減災・防災の可能性
ユーザー会員 山梨県大月市在住 河西悦子

4月14日の最初の熊本の地震が起きてから1か月が過ぎました。(編集部註:原稿は5月中旬に頂いたもの)未だに毎日のようにテレビでは熊本地方の地震のテロップが流れます。落ち着かない不安な日々を送られているかと思われます。

日本は災害大国ともいえます。近年、日本列島は地震の活動期に入ったといわれました。気象も激しい変化を見せるようになってきたように思います。このところの記憶に強く残る自然災害をちょっと挙げてみても

 

北海道南西沖地震(奥尻震災) 1993(平成5)年 7/12

阪神・淡路大震災 1995(平成7)年 1/17

中越地震  2004(平成16)年 10/23

東日本大震災 2011(平成23)年 3/11

広島土石流災害 2015(平成27)年 8月

鬼怒川河川氾濫 2015(平成27)年 9月

その他、あちこちでの噴火も記憶に上ります。

4月に起きた熊本地震 震度7、震度6の地震が続けて起き余震がまだ続いています。

 

今、日本のどこにいても、地震をはじめとして大きな自然災害に見舞われるということを強く自覚しなければならなくなっています。

これまでも大きな災害後、そのデーターや情報も分析が行われ、その度毎に対策も見直されてきたとは思います。しかし、どれだけの教訓が生かされているのでしょうか?自然災害が起きるのはどうしょうもないことです。しかし、東日本大震災の原発事故のように、人間の行為によって災害が増幅されることについては、きちんと対処することによって、減災することはできるはずです。自然災害においても今は様々な地形や地質のデーターもあり、防災対策を適切にすることにより減災できることも結構あるはずです。

しかし、自分の足元を見てみると、非常に心もとない思いがしています。山梨県内の「土砂災害警戒区域」は7089カ所が指定されていますが、法面の工事などの対策がとられたのは1千カ所にとどまっています。県内で地震を引き起こす可能性あるのは三つの活断層群ですが、その一つは大月から富士吉田に掛けて走る断層群です。山梨県内は深層崩壊が発生する頻度が県の面積の28%を占めるともいわれています。2011年9月に大月市内で起きた深層崩壊、工事は未だ途中の段階で、完成はだいぶ先の様です。中途半端な段階で大きな地震が起きたら怖いなと思います。

平成25年に大月市土砂災害ハザードマップが各戸配布されました。避難場所の指定の何カ所かは、『土砂災害特別警戒区域』に隣接していたり、『土砂災害警戒区域』の真中にあります。大月市は森林面積8割を超え急傾斜地も多い地形です。配布されたときに、市の担当者と話をしました。「大月の地形ではどうしょうもないねー。」という言葉が返ってきました。今回の熊本の地震の後、再度、市役所へ行って、聞きました。残念ながら「何の手も打っていない」という返事です。

今回の熊本の地震でも何カ所も斜面崩壊した現場の状況がテレビに映し出されていました。大月市でも大きな地震が来れば起きかねません。少なくとも『土砂災害警戒区域』内の避難場所の周辺については緊急に対策を取ることが必要ではないでしょうか。フォレストベンチの姉妹工法である垂直透水壁・パイプグリッド工法は、大変有効かつ経済的な工法ではないかと思います。

残念ながら決定権を持っている自治体のトップや議員、行政の人は全くと言っていいほど、まだまだこの工法自体知りません。多方面からアプローチしていく必要があるかなと思っています。

住宅地での劣化したコンクリート擁壁、日本全国では膨大な個所があると思われます。我が家の土台も40数年前家を建てたときのもので、斜面ということもあり、部分的に大きくひびが入っています。いずれパイプグリッドでお願いしたいと思っていますが、竹材を使っての化粧デザインに期待するところです。周りにもこのような劣化した擁壁、かなりあると思われます。個人住宅も多く、その中には高齢者世帯も多いと思います。あまりお金を掛けなくて済み、かつ簡単で安全性が高められるパイプグリッド工法、普及させたいですね。

劣化したコンクリート擁壁の写真

 

ベンチが生まれ変わりました
ユーザー会員 群馬県高崎市在住 小松かおり

我が家のフォレストベンチが生まれ変わりました!すっかり色あせてしまった光悦垣の記事を書かせていただいたのが先月のことです。すぐに栗原さんから連絡をいただき、そしてすぐに着工の運びとなりました。お蔭様で前とはまた違ったイメージの美しい垣が出来上がりました。ありがとうございました。

県道脇に立つ我が家。広い歩道は散歩やジョギングのコースです。道行く人が見入る姿も。

リニューアルしたベンチ。手前は竹、奥には間伐材を使って頂きました。

工事中は、歩道を行く散歩の方々の、垣の姿に観入っている様子が何度も見受けられました。工事を請け負った下さった大島さんは、彼らの質問を受けて人懐こい笑顔で説明しておられました。5月の新緑と幾分強い日差しの中での素敵な光景でした。

6月に入り、田植えとともに雑穀の定植が始まりました。まずは2日かけてもちキビを定植しました。もちキビは黄色が美しく卵の風味のする雑穀です。苗の写真をご覧ください。

もちキビの苗です。こんな雑草、ありますね!

この後、よく似た雑草が苗の周囲に生え始めます。除草を怠ると苗と草との区別がつかなくなり、苗が草の中に埋もれてしまいます。頃合いを見て株の周りを除草します。またの機会に様子を報告したいと思います。

雑穀については以前も書かせていただきましたが、改めて紹介します。雑穀はヒエ、アワ、キビ、ソバの総称です。現代のように米を主食として食べる以前は、雑穀が日本の主食でした。現在、スーパーフードと称されているアマランサスやキヌアも雑穀の仲間です。雑穀は栄養価が高いうえ栽培が容易です。やせた土地でも斜面でも育ちます。農薬も要りません。雑穀の中でも、アワはユーラシア大陸全域で古くから栽培されており、かつては世界中で主食として食べられていたそうです。

私が雑穀を料理に取り入れ始めて9年近く経ちました。その素晴らしさに感動し、何とか世に広めたいと躍起になった時期もありました。しかしやがて、雑穀料理を作ることが強迫観念となり苦しさを覚えるようになりました。雑穀入りのご飯は食べ続けましたが、雑穀料理は以前ほど作らなくなって行きました。

そうして何年かが過ぎ、雑穀の栽培を本格的に始めた今、改めて「雑穀料理を伝えよう!」という気持ちになっています。やっと雑穀と仲良しになれたような気持ちです。そして、周囲の人たちの雑穀料理への関心の高まりも感じています。雑穀料理を食べた人からの「もっと食べたい」「作り方を知りたい」という声が以前よりも多くなりました。大袈裟かも知れませんが、日本の食文化の変化の兆しと思えてなりません。食材も味もシンプルになるのだと感じています。

もちキビを定植した畑です。やがて株の周囲に似たような草が生えてきます。

 

パイプグリッドの経緯を辿る
個人会員 ㈲大島技工 代表 大島利男

 

パイプグリッド工法が生まれた瞬間を知る人間として、記録を残しておこうと、慣れないぺンを執ることにいたしました。乱文をお許し願いたいと思います。

初めて採用されたのは、真鶴町の大久保邸であり、大雨の被害を受けながら崩壊を免れた「小松石」の石垣を補強するのが目的でした。5年前に局地的豪雨に襲われた時、大久保様は不在で難を免れられましたが、隣家との落差6m崖の2/3は、コンクリート擁壁が粉々に砕かれて、狭い通路を埋め尽くしておりました。

小松石垣の1/3は、何とか形をとどめていました。しかし壊れた範囲と同様な力を受けて壊れかかったのは確かですが、取り払うのは忍びなく、何らかの補強が必要と感じておりましたところ、栗原社長から、これはパイプグリッド(当時は無名)で行こうと、声が掛ったのです。

これは、壊れた範囲に適用するフォレストベンチ工法と同じアンカーを、小松石垣に向けて突き通し、その頭部を縦横にパイプで連結して、石垣を地山との間に包み込んで、固定しようというものでした。アンカー頭部に取り付ける座金は、㈱岡部様によって製作されています。それはコの字で、背の部分に穴が設けられており、歯の部分には、パイプをくわえ込む半円が凹んでいます。

アンカーの仕事を長くやってきた私には、力学的なしくみはピンときましたが、アンカーとパイプとを直交して結び合わせるという経験はありませんでした。アンカーを打設し、パイプを取り付けてみるとコの字の座金が変形しながらパイプと連携して押し付けられる姿が実に安定していて、地山と力学的に一体化出来ると確信しました。

このコの字の座金の命名について栗原社長から相談を受けたので、「箱3型」でどうかと提案したら、そのまま採用されて今日に至っております。

「箱3型」座金は、小松石垣と遭遇して突然登場したのではなく、伏線が存在するのですがそれは、別稿でご紹介したいと思います。

真鶴の大久保邸。建物と崖の間のわずかな空間に壁面を補修する方法としてハイブリッド工法が採用されました。

「箱3型」座金は㈱岡部様との試作段階で、凹部の座屈強度約4トンを確認するようにと言われています。

座屈すると凹部を内側へ曲げて変形しますが凡そ1㎝の変形が生じるように出来ています。これは地震による過剰な荷重が掛かった時、アンカー材を保護する役目を果たすとの事です。

使用するアンカー鋼材は許容強度5.5トン(破断強度12トン)ですが、地震エネルギーが座屈の変位によって吸収されると、アンカー材が受ける荷重はその間に緩衝和されて、破断を免れるというしくみです。地震が去った後、破損するのは座金だけなので、交換が迅速かつ経済的に出来る、という寸法なのです。

人口が密集する都会では、狭い宅地が重量物のコンクリートで仕切られており、地震に襲われるとそのコンクリートが転倒して、人々を下敷きにする危険が心配です。

「備えあれば憂いなし」の格言通り、都会での地震への備えは、コンクリート構造物の補強と転倒防止に集約されます。パイプグリッド工法を、転ばぬ先の杖(アンカー)として用いてほしいと願っています。

完成後に出来た狭いながらも新しい平地には何種類かの木が植えられ、今ではおいしそうなレモンの実がついています。

現場だより

 

◆6月8日(水)、5年前に竣工した真鶴町の大久保邸のフォレストベンチを久しぶりに見に行きました。

 

◆神奈川県の「地盤品質判定士の方々」がフォレストベンチを勉強したいと動き出され、狭い施工場所を探しておられ、大久保邸の状態を見せて欲しいとの要請を受けたからです。

 

◆神奈川県は横浜市や川崎市を中心に急傾斜地が人口密集地となっており、毎年、人命が失われる事故が起きています。横浜市の林文子市長が“この問題は根絶すべし”と号令を発せられ、その対策に乗り出されたとの説明でした。

 

◆傾斜面に無理な土地利用、コンクリート擁壁の多用が目立っており、大久保邸の7年前の災害(工事は2年の空白後)は、正にそのような状況下での事故でした。

 

◆首都直下地震や南海トラフ地震の脅威を抱える大都市は、首都圏には無限に広がっています。

 

◆フォレストベンチの有効性に注目が集って、経済的で景観の良い防災工事が進むことを願っています。

 

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