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STEP(HTML版)

STEP(第175号)

平地を作れば安全が創出され、そして安心感は平和に繋がる
個人会員 フォレストセイバー 研究所 総代表 林 哲久

日野市所有の緑地にフォレストベンチが施工されました。緑地は真東に向いており、斜面直下は住宅地です。住宅から見える風景は上記写真の感じだと思われます。写真は、ちょうど間伐壁材に防腐剤を刷毛塗り作業中の横山氏(㈲大島技工の若手・22歳!!)。丁寧に作業してました。

住民たちは㈲大島技工を始めとするスタッフたちの仕事ぶりを毎日毎日、目にしていたでしょうし、その誠実にして綿密かつ確実な作業に対して大いなる安心感を抱いた事でしょう。つい最近まで藪と雑草に覆われかつ崩壊の危機にあった(にっくき)斜面がかくも綺麗に安全に生まれ変わった事、雨戸を開けて裏山を見るたびに幸せ感に浸っておられる事でしょう。『我が家を此処に建てて良かった!!』と。しかも、まるで古都・京都の様な竹垣が巡らされており、日本庭園の借景かと、錯覚されているかも (笑い)。

そうだ竹垣のフォレストベンチを見に日野へ行こう!!』(・・・どこぞやのCMキャッチフレーズ)JR日野駅ホームから遠望できますし、中央高速下りルートからも(走行中は一瞬ですが)しっかりと看取れますので、フォレストベンチが観光スポットにもなり得るかも?!

  • 竹について

竹の供給元は千葉県君津市大鷲で、此処は筆者の活動拠点でもあります。里山の邪魔ものが日野の地で『防災の一助』になることは素晴らしいことです。提供した竹は、5mが200本、4mが100本、2.2mが100本でした。

㈲大島技工スタッフが丁寧に職人技を駆使して施工した様子をご覧ください。 穏やかなカーブを描き、当地にフィットした溶け込んだ風景、其れは竹ならではの効果です。

  • 平地を作れば安全が創出される

栗原理事の『力説の一部』を引用します。以下①②③引用開始■①傾いている斜面(地層を含む)は常に重力の斜め分を受けているので、力のバランスが崩れて土砂等は斜面へ落下し、災害に至るのです。

②重力と直交する水平面の特技は、すべての物を静止させ、水をも地下へ導くという極上の物です。(浸透能)そして斜面は平地が増えるほど強靭になり、国土は利用度・生産力を高めます。これが副次的効果であり、如何なる斜面も緑や花で覆い、観光や癒しの場となって地域の活性化に寄与します。

③土の水平面では、肥沃な表土が雨水で流されることなく寧ろ有機物が堆積し肥沃に成って行きます。

(中略) 緑は元気に育ちます。■引用終わり

  • 生物の多様性が図れる

創出される平地に植える『樹』は何が良いか・・・・

その土地の状況==気候や日照や景観等はじめ以下の諸条件を加味して検討する必要があると思います。・・・ベンチ壁の高さ(背後の植栽への影響を考慮すべき)、平地の奥行き(幅)、土壌性能、降雨量、(植栽の)メンテナンス性(手入れ)etc・・・特に雑草除去とかは必須でしょう。藪化状態のままだと、昆虫とか蜘蛛類やはたまたミミズや菌とかがすくすくと過ごす環境を保てません。

また、そう言った生物の存在によって野鳥が訪れる訳だし、花があることで蝶などが飛来するなど豊かな自然環境が生まれると言うものです。特に地中菌の繁殖は土壌を豊かにし、植栽の成長に寄与します。樹木が元気で活発化する程に光合成が大いに進むと、O2の供給量が増えるでしょう。また、植栽の樹木の根がどんどん伸びて『地山』まで届くと、フォレストベンチが更に『強固になる!!』 という具合です。

日野は東京都です。日本最大の都市にフォレストベンチが出現したのです。ビッグニュースです。しかも、竹垣根風です。竹垣は日本建築の象徴です。フォレストベンチから日本文化のテイストをも紹介できることは日本国内から海外へと、広く強くアピール出来るチャンスでもあります。アピール==広報の手段についての研究を即座に推進すべきかと思います。

  • 走れば走るほど空気がきれいになる『車』V S 安定斜面が増える程(日本の)国土を豊かにするフォレストベンチ (栗原理事)

引用開始■やや古い記事ですが(2007年)、4月2日の日本経済新聞の特集『地球が迫る新たな競争』で、豊田自動車・渡辺社長が「走れば走るほど空気がきれいになる車を開発しろ」と檄を飛ばしている様子が掲載されていました。■引用終わり(長井孝尚氏記事を林が引用)

栗原理事の思いはフォレストベンチの関係者ならばよくよく理解できると思います。

曰く●内燃機関エンジンを有する車からはCO2が排出されます。そのCO2を利用して光合成をし、結果O2を吐き出す植物の作用に注目すると→フォレストベンチで創出される平地に樹木を植えると『緑』が増える●・・・と。要するに、『日本中の斜面にフォレストベンチをどんどん創出しようぜ!!』・・・栗原理事の意気を感じる次第です。

 

「日野緑地整備工事、ほぼ竣工」のご報告
個人会員 ㈱コンシャス 伊藤弘志

このたび2015年1月15日に、日野市から受注した日野緑地斜面整備事業『フォレストベンチ工法と透水衝立による』がほぼ完了に至りましたので、その経緯についてご報告いたします。

当初の工期は平成27年1月19日~平成27年3月13日の予定でしたが、工事を進める過程において現場の状況に応じて設計変更が生じたため、実際には2015年4月13日に現場確認検査が終わり、後は書類検査で竣工を迎えることとなりました。

私は以前より、フォレストベンチの設計図面作成等をお手伝いしておりましたが、今回の工事については、 栗原理事から設計書や工事関連資料作成のほか、現場立ち合いまでのご指示を戴き、初めてフォレストベンチの着工から完了までを見届ける好機を得ることができました。

最初に日野緑地を訪れたのは昨年9月24日、栗原理事に同行させていただき日野市役所の中村係長から現場に案内されましたが、深く雑草で覆われた状態で斜面の様子も下の住宅の状態も良く分からない状況でした。(写真①)発注図面が用意されておらず、想像で図面を描く始末でした。(これは市側に予算がなくそれを承知で、地質調査も必要ないと主張される栗原理事が了解された結果です)

発注が決まってから現地立ち入りが許され、雑草を刈ってみると、住宅基盤から高さ20mに達する斜面であることが判明し、施工範囲は北に向かって緩く傾斜し、60m北の終点部では斜面高さは5mも無い地形になっていました。以前に犬猫の墓地として計画された場所との事でしたが、住民の反対で成立せず、市が買い取って防災斜面として整備することとなったのでした。日野市では2年前に京王線の斜面が崩れて住宅が埋まる災害が起きた後だけに、20mの斜面崩落を未然に防ぐことが議会承認されて、斜面整備事業として発注されたのです。従って予算は初めから厳しい状態でした。

このような背景の中で栗原理事が動じなかったのは、10月1日に札幌で実験して成功していた透水衝立工が設計に盛り込まれており、高さ30m以下であれば如何なる土砂災害にも対応できるとの自信を持っておられたからです。コンクリートブロック積みの直裏に立ち並ぶ住宅に、土塊一つでも落下すれば、たちどころに工事ストップの可能性があります。それを見越して透水衝立を導入し、先ずこれから先行すれば事故は防げるとの読みがズバリ当たり、施工中、全く無事故でした。

その住宅の裏側のコンクリートブロック積みもかなり古くなって孕んでおり、大雨が降るといつ崩れてもおかしくないような危険な場所に見えました。過去にフォレストベンチの施工現場をいくつも拝見していましたが、今回の現場もかなりな急傾斜地で施工には困難が伴うと感じました。孕んだコンクリートブロック積みについては原因不明ですが、その天端に透水衝立のアンカーが深さ5mで施工されたので、何がしかの安定効果を及ぼしている、というのが栗原理事の見解です。施工する前から孕んでいたことは写真記録しており、透水衝立に施工でコンクリートブロック積みが影響することは無い、という判断です。

皆さまご存じのとおり、フォレストベンチ工法は重機を使って行う工事がメインではなく、殆どが手作業です。削孔機、ユンボなど機械は工程の一部では使いますが、9割は人手による作業です。よって工事の良し悪しは作業員のスキルと体力に委ねられますが、今回もフォレストベンチ精鋭部隊の㈲大島技工が中心となり、見事工事を完成させました。

また工事の設計施工は、工事ベテランの現場責任者である入井氏が担い、工事の元請は地元の有力建設会社である滝沢建設様に請け負っていただきました。滝沢建設は、私が元請会社を探すよう栗原理事から依頼されてインターネットで検索し、たまたま探し当てた日野の建設会社です。年明けて直ぐに、滝沢建設様に直接お伺いして初めてとなるフォレストベンチ工法を一からご説明し、入札参加を受諾して戴きました。日野市の仕事はこれまで数多く受注されており、会社が現場に近いという因果をもって、危険な斜面を見過ごすのは忍びない、という会社でした。このようなご縁によって工事が始まったことで、今回の日野緑地のフォレストベンチは、私にとって特別な思い入れのある工事となりました。

(竹を受圧板装飾に用いる)

フォレストベンチの垂直面被覆については、発注時には宙に浮いた状態でしたが、地域に親しまれる公園にしたいとの願う栗原理事とフォレストセーバー研究所の林氏との合作により、通常の間伐材ではなく竹(矢羽の模様)を使いました。予算が厳しいので竹を用いて施工し易くすることと、同時に良好な景観を演出しようと、思い切って竹を用いたとのこと。現場を視察された村井会長から、高い評価を戴いたので、施工に当たった大島技工の面々も大いに元気づけられました。フォレストベンチは結果的に5段を施工しましたが、竹の矢羽模様は周囲の環境に傑出して調和しており、完成に近づくにつれより美しい姿を演出することになりました。(写真②)

竹のこの模様は独特のものなので、遠くからでも良く判別できます。住宅地に高い安全が確保されていることを証明する、刻印になるかも知れません。 そして何より、見上げる住民の方々に美しい眺めを提供できることが自慢です。

提出書類の遅れなどで、2月2日からのスタートとなり、3月13日の検査まで1ヶ月半と、かなり工期が短縮され厳しい施工スケジュールとなりました。 工事の経験が浅い私にとって、現場立ち合いという重責に加え、その合間に工事のドキュメント作成等を短時間で行う必要があったことは大きなプレッシャーでした。限られた時間の中での作業で徹夜も数日続きましたが、経験豊富な滝沢建設の担当中村課長、現場監督の入井氏のご指導の下で、何とか無事に責務を全うすることができました。

今回初めて現場管理を経験して特に重要と感じたのは現場の安全管理策です。作業現場の安全もさることながら、現場付近を通行される方々への安全確保などの配慮も必要でした。(写真③)

今回の施工に際しては、想定外の問題も次々と起こりました。前段でも述べましたが、施工前の段階では斜面が雑草で覆われていたため正確な斜面の状況がつかめず、除草後に地形に合わせた設計変更を余儀なくされ、それに伴う材料変更、図面の修正などが発生しました。初心者としては、実に煩雑で厄介な作業でした。

また、本来であれば6~7人程度ラ2ヶ月の突貫スケジュールですが、当初は4人でスタートし、うち1名は途中で体調を崩し3名体制の日が続く など、スタッフの健康状態が一時的に工期に影響を与えました。天候にも悩まされました。雨天のため作業ができなかった日もあり、工事はじりじりと遅れて行きました。 そして想定外だったのは、フォレストベンチを施工しようと段切りしたときに、掘削した斜面に大量のごみが埋まっており、ゴミ処理にも手間取り、同時にアンカーの長さも変更を強いられる始末でした。このような状況から3月13日の検査に間に合わせるのは至難の業と思え、元請会社と日野市に日程の再調整をお願いし、4月に検査を延ばしていただくことになりました。

上記のとおり、元請会社の選定から工事の立会いなど、今までにない貴重な経験をさせていただくことができ、多くの勉強をさせていただきました。そして何より嬉しかったのは、長年見上げるような崖の下で、降雨災害の恐怖に悩んで来られた10軒を超える住民の方々が、今年の梅雨からは恐怖から解放されることに貢献できたことです。 施工中に顔を合わせることはありませんでしたが、安心を通じて心通うものがあるのではないかと思っています。

この経験を活かし今後も災害を未然に防ぎ、将来にわたり安心できる住環境を提供し、住宅と調和する美しいフォレストベンチ工法の構築に、今後もかかわり続けていきたいと願っております。

 

事務局だより

 

◆日野市から、のり面防災の相談を受けたのは昨年度初めのことだったと思います。 大掛りな住宅地の防災工事だが、フォレストベンチで可能か、という内容だったと記憶しています。

◆何度か打合せに伺ううちに、峯岸市議から現地写真を送って頂き、住宅街の裏山であることを知り、ファイトが湧いてきたが、現地の測量費等の情報は無いに等しかった。

◆8月20日の広島災害をうけて、私は落石実験やDVDの作成に没頭していたが、日野市では発注業務が着々と進んでいた。

◆その中で、発注予算の範囲が決められ、実験を行った透水衝立の採用を優先すべきと判断し、当局に認めてもらった。しかし、フォレストベンチの壁面装飾については予算不足により宙に浮いたままだった。

◆今年1月15日の入札が終わっても壁面装飾の件は未解決だったが、竹の使用であれば、施工方法次第で大きな額にならないと判断し、受注側の負担で試行的に実行することを決断しました。

◆林さんに私の下書きを見せて図化し、凡その外観と施工法の検討を行った。結果は村井会長にも見て頂き好評だった。

◆矢羽模様だという助言を従兄からもらい、納得した。竹の美しさはいつまで持続するのか分らないが、トレードマークになったら幸甚である。

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