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新春よしなしごと

フォレストベンチ研究会 自給シニア会 会員 公文國士

ヨーロッパ大陸に野生の猿は生息していない。と、前回のSTEP(11/12月号、第2014号)の原稿に、日経新聞に掲載された霊長類学者、松沢哲郎教授の文章を引用して書いた。ところが正月休みに、たまたま見ていたTV番組で、ヨーロッパ大陸で唯一生息する野生猿として、バーバリーマカク(Barbary Macaque)という種類が紹介された。残念ながら番組名はきちんと記憶していない。何しろ正月の特権とばかりに早朝から飲酒していたため、少し酩酊気味であった。確かヨーロッパ大陸の南端、英国領ジブラルタルを紹介する番組だったと思う。さすがに気になって調べてみた。猿に関しては何も資料を持っていなかったので、ネット検索をしてみた。

バーバリーマカク

判明したことは、バーバリーマカクとはアフリカ北西部のモロッコ、アルジェリアなどに分布する野生種で、7~8世紀頃イスラム圏からヨーロッパ大陸に持ち込まれたものが野生化したものとあった。つまり自然分布ではないそうだ。野生猿の生息地として組み込まれなかったのは、このためだったのかもしれない。属種はマカク属と言い、ニホンザルもこの属種に含まれるそうだ。そういえば写真で見るバーバリーマカクの姿はよく似ている。ただニホンザルに比べると、精悍な顔つきをしている。おそらく生活環境が、日本に比べて過酷なのかもしれない。

日本は、海洋上に浮かぶ列島の国です。その位置するところから様々な恩恵を受けてきた。 南北に細長い国土から、気候は亜熱帯から亜寒帯まで幅広い。しかもはっきりとした四季がある。これは人によっては、梅雨の時期を加えて五季ということもあるそうだが、一般的には四季とされている。山岳地帯も多いが、そのため良質の水を多く産出し、穏やかな気候の地域がほとんどを占めている。 以前、日本の特徴を表す例えとして、駅弁文化という比喩がよく聞かれた。駅弁の中身を見て、多種多様のおかずが少しずつ、しかも彩りよく配置されていることからきたと思われる。種類は多いが、1種当たりの分量は少ない。日本の生産物の特徴をよく表していると感じる。

おそらくこの列島に移住してきた原日本人は、当初はこの豊かで穏やかな地域に大いに喜んだことでしょう。ところが、いざ定住してみると、火山の噴火、地震、台風など自然災害に見舞われることも多かった。火山の多い日本列島は、そのおかげで豊かな資源を生み出してきた。その反面、上記のような災害に合うことも実に多い、災害大国でもあった。しかし、日本人の性格の穏やかさ、気遣い、相互扶助などの精神は、こうした厄災に対処することから育まれたものかもしれません。

ニホンザル

日本列島は、2018年もまた数多くの災害に見舞われました。今年もそれに劣らぬ数の災難が日本を襲うことが予想されます。

正月休みの間に、「永遠に美しく」(DEATH BECOMES HER)という1992年に公開されたアメリカの喜劇映画が、テレビで深夜放送されました。容色の衰え始めた2人の美人女性が、1人の男性を射止めようと、若返りと不死の秘薬を飲んだのちのドタバタを描いたブラックコメデーです。その展開とSFX(CG等を使った特殊効果)の映像が素晴らしい。しかし最もユニークなことは、秘薬を飲んだ後は肉体が完全にマネキン人形のように無機質化してしまうことです。従来の不老不死を扱った映画は、肉体は傷ついても再生し、本来の姿が保持される。ところがこの映画では肉体が傷ついた、或いは欠損した場合には補修が必要なのです。この補修作業も笑いを誘う要素となっています。つまり肉体は完全に死んだ状態となっているのです。

日本の斜面工事や防潮堤工事の現状は、相変わらずコンクリートを使った手法が主流を占めています。これでは上記の映画の肉体のように、経年変化や破損に対して常に補修を必要とします。しかも不死ではありません。寿命があります。

フォレストベンチ工法は、自然が持つ力の助力を得て防御していきます。勿論不死ではありませんが、自然の営みが地盤を保持する樹木や樹根を次世代へと命を繋いでいきます。従って補修作業も基本的には必要としません。

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