千葉県を襲った台風15号の教えるもの

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フォレストベンチ研究会 個人会員 戸村澄夫

・被害の状況

9月9日月曜日の未明、台風15号が猛威を振るいながら私が住んでいる船橋地域を通過しました。千葉県内では、収穫寸前の梨などの果物や稲等の農作物に甚大な被害を受けました。

そればかりではありません。被害があって10日過ぎてもいまだに電気も電話も通じないところがいたるところに残されています。千葉県と周辺で約3万戸が停電していると昼のニュースで報じていました。道路わきの大木が電柱をなぎ倒し電線や電話線を切断し、道路を通れなくしているところに、チェンソーを持って行って倒木を切断しようにも電線が絡まっているため、即座に除去作業はできません。東京電力に連絡を取って協力をしてもらわないと手を下せません。
家庭生活は、オール電化の時代です。電気が来なければ食事のための煮炊きもできません。電話線が切断されていては、情報の取りようがありません。

私の出身の多古町の島では、停電で冷蔵庫のものは使えなくなり、電話連絡ができず、甥が持っていた携帯電話を使ってかろうじて連絡を取りあっていた次第です。田舎では、井戸水をポンプでくみ上げて飲料水に使っていましたが、電気が来なくて井戸水も使えません。

・船橋の状況

私が住んでいる東葉高速鉄道飯山満(はさま)駅周辺を流れている飯山満川の水位はかなり上昇しましたが、氾濫等の被害はありませんでした。5年前の台風26号で住宅街の道路が浸水した経験から一部堤防をかさ上げしていただいたおかげです。

橋のすぐ下流の土留め用の鉄骨にひっかかっている草
(水位はこれ以上)

私の家の近くの農業ハウスの鉄骨が強風にあおられて電線に絡み、コンクリート製の電柱が倒壊・破損するという事故がありました。近くには、船橋整形外科(東京からもよくアスリートたちが治療に通ってきています)という大病院があり、停電のため翌10日の午前中に復旧するまで休診でした。船橋全域では、幸いこのほかの停電はなく私の家も助かりました。

・今後の対策

今回の停電事故の長期化の一原因として道路わきの大木が倒壊して電線を絡んでいたため、除去作業できないという事態がありました。大木も50年もすると幹の中が空洞化して強風により倒れやすくなっている場合があるとのことでした(コンクリートが50年もすると劣化するのと同じです)。地方の山間部に行けばこういう現象は多く見られるところかと思います。

異常気象は、ますます猛威を振るい、襲ってきます。今の社会、電気がなければ、生きていけません。何よりも電力確保を優先すべきかと思います。

今回の経験から、身近のところでできることから始めるべきと思います。

その一つは、道路という公共施設から例えば、10m以内の大木(幹の中が空洞になっている可能性のあるもの)はすべて伐採する等の措置です。

現在建築基準法で耐震基準が設けられていて建物が倒壊して道路をふさがないようにしたり、空き家対策特別措置法で、倒壊の危険性がある空き家は撤去できるという措置と同じです。

もちろん、根本的な対策は、電線の地下埋設化でしょう。さらに、将来的には、電車が停電により運行をストップしないで済むように別の変電所からの配給を受けられるようにしてあると聞いておりますが、家庭への電力配給も複線化が必要でしょう。

これらは、費用と時間がかかるでしょうから、「緊急避難」として大木等の倒壊による停電だけはなくすように今回の経験は教えてくれているものと思われます。