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施工手順/Q&A

施工手順/Q&A

Q&A

全天候フォレストベンチ工法に関して、よくあるご質問を紹介します。

Q.全天候フォレストベンチ工法とは、どのような工法ですか?

局地的豪雨や地震から斜面を守る工法です。
階段状の水平面に植樹することで、自然景観の再生及び生物多様性を保つことが可能となります。

Q.全天候フォレストベンチ工法は、切土又は盛土のどちらに対応していますか?

切土と盛土の両方で適用が可能です。
切土の場合は、アンカーと支圧盤による定着が可能です。盛土の場合は、支圧盤による定着により地盤反力を確保します。

Q.全天候フォレストベンチ工法は、どのような用途利用が効果的ですか?

法面を補強したいあらゆる場合に適用が可能です。
特に、緑化を求められる場合や斜面を樹林化したい場合、コンクリートでは景観が損なわれる場合に適します。

Q.適用可能な高さはどれくらいですか?

これまでの実績では、逆巻工法において30m(20段)、それ以外では15m(10段)での施工実績があります。法面高さ1.5~30mの範囲での施工が一般的です。

Q.適用可能な勾配はどれくらいですか?

5分勾配(1:0.5)より緩い勾配において施工可能です。

Q.従来工法とは何が違いますか?

遮水性で材料劣化の激しいコンクリートを使用しないのが特徴です。水の力は土圧の1.5倍となって掛かります。斜面安定抑止力として重量を用いると、その効率が50%なので2倍の重さが必要になりますが、引っ張力を用いると、1/100の重さで足ります。地盤反力に基づく水平引張り力によって、斜面には土の水平面が階段状に形成され、土壌は肥沃になり、土砂の通水性と保水性が同時に発揮されて呼吸できる斜面となります。そこでは森をはじめ、地球の生命が元気よく息づきます。

Q.強度(耐久年数)はどのくらいですか?

土の水平面を保つ垂直壁を支えるのが引張り力なので、ワイヤー強度が斜面安定の要となります。ワイヤーの強度は土圧に対して安全率2.5を確保しています。 しかし人工材料は、50年・100年先には何れ錆びて朽ちることを覚悟しておかねばなりません。そこで、恒久の安定を目指す方法として取り入れているのが、樹の根の引張り力です。土の水平面に育つ樹木が生長すると、森を成しその根は引張り力を発揮して土砂と一体になり、斜面を固定してくれます。天然の山が安定を保ってきたのは森で覆われてきたからです。土の水平面は、雨水を涵養するだけでなく森を育て斜面に恒久安定を実現し、メンテナンスコストを不要にするためのものです。全天候フォレストベンチ工法にはその他に、段切りや有孔管の埋設によって、重力や大気圧を斜面安定に生かす工夫が取り入れてあります。

Q.費用(コスト)はなるべく抑えたいのですが、㎡当り単価はいくらくらいですか?

コストは崖の形状・面積・作業のし易さ等で変わります。引張り反力を確保するアンカーの施工性は崖の形状にはあまり影響を受けませんが、土砂の埋め戻しが人力施工になると作業性が低下します。施工面積は垂直投影図で計りますので、傾斜に寄らず最小面積が対象となり、面積が多くなれば作業効率の関係で単価は安くなる傾向です。

150㎡未満で ㎡当り   5万円
300㎡未満で ㎡当り  4.5万円
500㎡未満で ㎡当り   4万円
500㎡以上で ㎡当り  3.5万円

が目安です。その他に作業員の宿舎や食事等についてお世話頂ける場合には特段の配慮をさせて頂きます。

Q.コストを抑える為、工事を自分達で行うことは可能ですか?(工法に使用する部材だけの購入も可能ですか)

庭づくりの一種だとお考え頂いて、ご自分で施工されるのが理想だと思います。但し安定の要となるアンカーの設置に関しては、専門的な技能を必要としており、その点だけは今の所、専門職人に委ねざるを得ないと考えております。本工法で用いる材料は、仕上がり後に長期安定を保つために、組み立てに間違いの無いような配慮がしてあり、アンカー以外の工事についても専門職人の指導やモデル施工等に倣って実施されることをお勧めします。指導やマニュアルに忠実に施工されれば、ご自分で実施可能と考えています。ご自分の汗と努力で安全で美しい斜面に仕上げられたら、愛着が増し崖の活用にも熱が入ることと思います。

Q.重機は使用しないのですか?

民家の崖の場合、物理的の重機が入らないのが一般的で、人力作業で行うことになります。崖崩れの未然防止、崩れた崖の修復の何れの場合も、元の形状に忠実に復元することが理想ですので、細かい点で配慮が行き届く人力作業が有利になると考えます。

Q.施工実績はどれくらいありますか?

全国で約100件の施工事例があります。
直近では、和歌山県和歌山市や岩出市で平成26年2月に竣工した事例があります。

Q.なぜ斜面には、透水性の防護工法が有効なのですか?

集中豪雨などで斜面の土砂が多量の水分を含んだ場合、遮水性の構造物では緩んだ土砂が横滑りする土圧に加え、水圧を完全に受ける状態となり危険です。透水性土留壁の場合、常に水が抜けて水圧を受けないので、土圧のみの負担となるので、非常に効率のよい土留めが可能となります。

Q.なぜ斜面の安定に重量なコンクリートよりアンカーの引張力が有効なのですか?

例えば20tのコンクリートで斜面を支えた場合、横滑りに抵抗する力は約半分の10t程度です。しかしこの10tをアンカーの引張力で補った場合、D19の鋼材1本で同じ効果が得られます。重量での抵抗に比べ、引張力による抵抗が有利となります。

Q.なぜ重量なコンクリートよりも、軽量な土留柵が地震に対して有効なのですか?

重量な構造物は、地震時に作用する水平力は重量に比例して増大します。しかし軽量な全天候FB工法の土留柵は、大きな地震でも大きな水平力が生じません。またバランスを崩して転倒する心配もないので、地震に対して大きな安心感が得られます。

Q.地震への有利性について、土留柵以外の理由はありますか?

土留壁全体に免震機能を与えたことです。
当工法では、アンカーと土留柵をワイヤーで環状に結んで取付けます。これにより、地震時の振動を吸収し、破壊を免れます。他の工法では、ボルトで剛結するものが多く、大きな力を受けた際に、破壊に至ってしまうことがあります。

Q.表面被覆は、間伐材の他に何かありますか?

竹を使ったものや、間伐材の表皮を剥いで塗料を塗り、重装な雰囲気に仕上げた事例があります。

Q.埋戻す土によっては水を通さないので、透水性にならないのでは?

地山には不透水層があり、水が通りにくい層がありますが、当工法で一度ほぐされて埋め戻された土砂は、土粒子間に間隙を持つため、不透水層を形成する状況にはならないと考えます。

Q.全天候フォレストベンチ工法は、環境対策を意識した工法なのですか?

そのとおりです。表面に間伐材を使用し、自然環境に適した見た目となります。また間伐材のリサイクルは森林の復興を促進し、植樹によるCO2の削減効果により、地球温暖化の抑制にも効果を発揮できます。

Q.環境対策工事としての事例はありますか?

自然景観を配慮した観光地や、歴史ある寺社のある斜面での採用例があります。このように、コンクリートでは景観を損なってしまう場合の事例がほとんどです。

Q.なぜ樹木の生長が早くなり、森の早期再生が可能なのですか?

当工法で得られる階段状の水平面には、降雨による水分と共に、肥沃な養分もその場に浸透していくので、植物の生長に適した環境が整います。しかし斜面では、水分と養分は斜面に沿って流れていくので、肥沃な土壌は形成されません。

Q.森を回復させると、1ha当りのCo2発生量が5~8t減少するのは本当ですか?

本当です。
林野庁のHPでも公表されていますが、森林が生育する過程において、杉などの針葉樹で年間7.8t程度、ブナなどの広葉樹で年間5.8t程度のCo2が吸収されるとあります。

Q.高木の根が横に張った場合、転倒の心配はありませんか?

心配はありません。
高木は本来から、強風や台風を受けながら生長し、それらに屈しない根を生長させながら樹木を生長させています。そのため、根の生長に比例しない樹木の著しい生長は少ないものと考えます。また当工法では、水平面に地山を加えた3方向への根張りができます。

Q.採用したい場合は、どこに依頼すればよいのですか?

現地の調査や測量、計画などは、当社(中林建設㈱)が中心となって行ないます。

Q.法面内部に円弧すべり面が存在する場合の対処法は?

斜面が安息角にある状態においては、FBパネルに掛る土圧に耐えうるアンカー定着長(L=1.8m)を確保すれば十分です。しかし、円弧すべりなどで法面全体が移動する懸念がある場合には、すべり面を超えてアンカーを定着させる必要があるので、切土補強土工法に準拠した補強材の検討が必要です。

Q.アンカーに求める引張耐力はどのくらいですか?

一般に20~25KN以上の設計引張耐力が必要です。
これは、土留壁1ユニット(1.5m×3.0m)に掛る総土圧を示します。

Q.工事中の騒音・振動はありますか?

アンカー削孔時の騒音が少し気になるかもしれませんが、防音シート等で囲えば、かなり低減されます。大型重機を使用しての作業は、作業期間・作業時間等を調整して対応することで、不快の騒音を低減することも可能です。

Q.建物等に近接した斜面での施工は可能ですか?(重機が入れない狭い場所等)

大阪府豊能郡能勢町の事例では、全ての作業を人力で行ないました。規模は100㎡で、法高7.5mを2ヶ月の施工期間で完了させることができました。

Q.施工に不向きな土質はありますか?

超硬質岩盤や軟弱地盤への適用は不向きです。

Q.工事中に法面が崩れてくる心配はありませんか?

高い法面の場合、上から下へ1段ずつ施工する逆巻工法で行なえば、安全な施工が可能です。下から施工する場合でも、土質によっては15m程度まで施工が可能です。

Q.施工費はどれくらいですか?

直接工事費の公表価格は、41,000円/㎡です。
工事の規模や条件にもよりますが、一般には土質調査や現地調査を行なってから積算します。

Q.他の工法に比べて高いのですか?①

現場条件・施工条件によって大きく異なります。
当工法は法面の垂直距離に対する費用なので、法勾配によって費用が変動しません。一方、ポピュラーな吹付法枠工などは、斜距離に対する費用となるので、勾配によっては費用は安くなります。当社の比較モデルでは、1:0.5では当工法が割高ですが、1:0.7では安くなるとケースもありました。

Q.他の工法に比べて高いのですか?②

他の逆巻工法と比べると非常に安くなります。
一般の逆巻工法が45,000円/㎡~80,000円/㎡掛ることを考えると、非常にコストパフォーマンスの高い工法と言えます。

Q.土留壁に使われる鋼材の耐用年数は?

通常の溶融亜鉛メッキの4倍の耐力を有します。
当工法で使用する鋼管材は、高耐食溶融メッキ鋼板ZAMで製作されたものです。通常の溶融亜鉛メッキは、悪条件下で約25年の耐用年数だとメッキ協会より公表されているので、かなりの耐用年数を要すると思われます。

Q.間伐材の耐久性は?

間伐材は10年程度で強度が低下するなどの腐食がみられます。
しかし大半のケースでは、間伐材が腐食する前に樹木が生い茂り、ほとんど見えなくなっているのが実情ですが、使用場所によっては、取替えが必要となる場合もあります。

Q.将来、施設更新の時期を迎えたときの対応は?

通常のコンクリートでは、部分的な取替えが難しく、大掛かりな撤去作業から新設作業が必要となりますが、当工法では、各ユニット化による部分的な取替えにより、更新が可能となるので簡単です。また、樹木が生い茂り森が再生されている場合には、木の根が斜面の安定を助長することから、施設更新の必要がなくなることが将来期待されています。

Q.降雨により水平面の土砂が流出しませんか?

水平面にある土砂は、斜面ほど流出しません。階段形状が水の加速度を低下させるためです。また水平面は重力に直交しているので、非常に安定状態にあることも起因しています。

Q.軽量な透水性土留壁は他と比べてどれくらい軽い?

当工法で使用する部材は76.4kg/㎡が標準です。吹付法枠工では約300kg/㎡ですので、非常に軽量であることが分かります。

Q.競合している類似工法はありますか?

近年では、スーパーダグシム工法やパンウォール工法と比較されますが、コストや施工期間を考えると有利であると考えています。吹付法枠工法とは、勾配や形状によっては安価となる場合もあります。

Q.コンクリート法面よりも有利な点は?

コンクリートは、長期に渡る乾燥収縮でひび割れが発生し、損傷が進みます。また地盤変動や地震による不等沈下等が考えられます。
当工法は、柔軟性に優れた構造で時間経過による損傷がないので有利です。